自転車競技はこれでクリーンに? モータードーピング疑惑に幕引き

メカニカルドーピング/モータードーピングが確定

メカニカルドーピング/モータードーピングが確定

1月だったか、2月だったか、UCIシクロクロス女子世界選手権で騒がれたメカニカルドーピング。係争中だった“初”のモータードーピングで、フェムケ・ファン・デン・ドリエッシュ(Femke van den Driessche、ベルギー)が抗弁を取り下げることになりました。つまり、“モータードーピングした”と認めたということです。

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UCIの抜き打ち検査で発覚したモータードーピング

初めて発覚したモータードーピング

初めて発覚したモータードーピング

モータードーピング疑惑が発覚したのはUCIシクロクロス女子世界選手権。UCIが新しいデバイスでレース中にドリエッシュ選手の自転車を検査し、御用になったようです。

UCIの検査とドリエッシュ選手の奇妙な主張

UCIはモータードーピング検査に際して、iPadのような大きさのデバイスを使ったようですな。そのデバイスでモーターから出る周波数を検知したそうな。しかも、いつもはレース前後に行う検査を、レース中のピットで実施したとか。これによりドリエッシュ選手のモータードーピング疑惑が露見したのです。ところが、ドリエッシュ選手は何とも奇妙な陳述を披露。

Van den Driessche claims the affair was an unintentional mix up. She told VRT Sport, she says, “I had honestly nothing to do with it. There was nothing wrong with the bike that I raced on. I’ve done nothing wrong,” adding that the bike belongs to her brother’s friend.

[抄訳] ドリエッシュ選手が言うには、「機材は誤って混在したもので、何も関係ない。自分がレースで使った機材は間違っていないし、悪いことは何もしていない」とのこと。自転車はきょうだいの友人のものだと主張した。

出典:Pro Cycling Experiences Its First Confirmed Case of Mechanical Doping


初のモータードーピングの代償

説明にムリがあったのか、そもそもピット内で現物(モータードーピングの自転車)を押さえられてしまって観念したのか、ドリエッシュ選手は19歳にしてキャリアを絶つ決断に。

抗弁を取り下げたドリエッシュのコメント

ほぼ真っ黒で疑惑の解消が不可能な状態で、家族や弁護士に説得されたのでしょうか、ドリエッシュ選手は抗弁を取り下げました。曰く、

After consulting with my lawyers and my family, I have decided to discontinue my defence at the hearing in Aigle.I have decided for myself to stop cyclo-cross. The costs of the meeting in Switzerland will be too high for me. An acquittal is impossible, the bike was in my pit zone.

[抄訳] 弁護士と家族に相談し、抗弁を取り下げることにしました。もうシクロクロスはやりません。スイスでの会合にかかる費用が高過ぎて、無罪放免も不可能です。そもそも、(モータードーピングをした)自転車が私のピットにあったのですから。

出典:Femke Van den Driessche drops defence in mechanical doping case


モータードーピングはこれで幕引きになるのか?

ドリエッシュ選手の抗弁取り下げで、モータードーピングは認められたことになりました(よね?)。これで幕引きとなるのでしょうかね??

ティレーノ・アドリアティコでもドーピング検査、絶賛開催中

 Daniel Oss (BMC) gets a radio check (Tim de Waele/TDWSport.com)

Daniel Oss (BMC) gets a radio check (Tim de Waele/TDWSport.com)

現在開催中のティレーノ・アドリアティコでもドーピング検査が絶賛実施中のようです。第2ステージではレース前後に140台を調べる大規模な検査を行ったそうで、取りあえず何も見つからなかったとのこと。

The UCI carried out further checks for mechanical doping at Tirreno-Adriatico on stage 2, with several UCI officials again using a blue tablet device to checks bikes for hidden motors.

[抄訳] ティレーノ・アドリアティコ第2ステージで、UCIが青いタブレット端末を使ってメカニカルドーピングを検査した。

出典:UCI continue checks for mechanical doping at Tirreno-Adriatico – News Shorts

メカニカルドーピング、モータードーピングは、もう本当に現実のものなのですねぇ。。。一般に普及したら素晴らしい技術だと思うのですが、「競技倫理」を維持していくのは非常に大変ですなぁ(;´∀`)


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