
もう自転車業界ブチ切れですよ(# ゚Д゚)! UCIが発表した2026年以降の機材規制でハンドル幅が注目されていたのは記憶に新しい(⇒参考記事)ですが、その陰でコッソリ禁止されていたのがリムハイトが高過ぎるホイール。ロードレースで65mm以上はNGなんですと。そんなこと言ったら・・・68mmのホイール出したばかりのSwiss Sideはどうするんですか!? 激おこじゃないですか??
出したばかりのホイールが規制3mmオーバーでそりゃぁ怒るだろう
UCIが来年以降の機材規制で65mm以上のホイールを禁止したのが6月のこと。それから1ヵ月後の7月にSwiss Sideという「空力No.1」を自負するホイールメーカーが出しちゃった。68mm・・・ありゃ3mmはみ出しw
Swiss Side、UCIに怒りの書簡を送る
Swiss Sideが発売しようとしていたのは「Hadron Ultimate 680」という68mmの極太ホイール。7月4日に正式発売となりましたが、それに先立つ2~3週間前、UCIが例の規制を発表しました。
これにはSwiss Sideもひっくり返ったことでしょう。何と言っても、これから発売するホイールがいきなりUCIアウトなんですもの。冷や水どころか氷の柱が降ってきたようなものです。そりゃぁSwiss Sideさん、ご立腹どころではすみません。
リムハイト違いのホイールがどう「ライダーセーフティー(選手の安全を守ることがリムハイト規制の理由だった)」に影響するか、わざわざ「科学的根拠に基づく方法」で空洞実験までして証拠をUCIに突き付けたんですと(⇒出典)。ちなみに、この記事の元情報は最近よく読むバイク小売業界ニュースです。
68mmの何が悪いっつんだよ(# ゚Д゚)!!

その書簡によると、「ライダーセーフティーに影響するのはステアリングモーメント(ハンドルにかかる力)」だそうで、50mm・60mm・68mmのホイールを比べたところ、最もステアリングモーメントが小さい(=ハンドルにかかる力が低い)のが68mmだったんですと。
The purpose here is to show the importance of an objective, science-based approach, which needs to be a part of the decision-making process for implementing equipment regulations. The recently proposed limitation on the rim depth to 65mm for 2026, can be objectively shown with regards to the steering moment, and the front wheel handling characteristics, to be ineffective and even counterproductive in bringing any improvement in wheel stability and thereby rider safety.
[抄訳] ステアリングモーメント比較実験の目的は、機材規制の意思決定において、客観的かつ科学に基づく方法が重要であることを示すことにあります。 2026年のリムハイト65mm制限は、ステアリングモーメントおよびフロントホイールのハンドル特性の観点から見て効果がなく、ホイールの安定性改善とそれによるライダーセーフティー向上にむしろ逆効果であることが客観的に示されています。
OPEN LETTER TO THE UCI: Maximum rim height for UCI road racing
ホイール開発にいくらかかったと思ってるんだよ!

あふれ出る怒りを丁寧に行間に押し込めるとこういう文章になるのかぁと、英語表現の奥ゆかしさを感じます。まぁ全然隠せてないけど。隠そうともしてないし、むしろストレートに怒りをぶちまけてるけど(´_ゝ`)
でもSwiss Sideが怒るのは当然も当然。書簡の中で、「開発にどれだけの時間と費用が掛かったと思ってるんだよ!」とぶっちゃけてますもの。曰く、
For example, the development of a high-level road cycling wheel is a 2.5 year development process・・・(中略)・・・The total cost for such a development is a six-figure sum (EUR), and is amortised by the sale of the product, typically over a 4-year product life cycle.
[抄訳] ハイエンド・ロードホイールを開発するには2年半を要します・・・(中略)・・・その費用は6桁ユーロに上り、それを4年の製品サイクルで回収することになります。
んん、なるほど・・・6桁ユーロって日本円にするとどれくらい?? 6桁だから・・・100万ユーロ以上でいいのかな? ということは最低でも2,000万円でしょうか(違いますw 100万ユーロは1億7千万と教えていただきました!)。ワタシ、算数ガチできない勢なのねん。どなたか訂正をお願いします(;´Д`)
以上、高級ホイールメーカーSwiss Sideが超ご立腹! UCIのホイール規制に怒りのオープンレターを送り付けちゃった! なお話でした。
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