ロードバイクは今どんな時代にあるかご存知ですか!? ロードバイクの今を知る、「サイクリング3.0」の時代区分が面白い

ロードバイクの時代区分を考えよう
ロードバイクの時代区分を考えよう

Xを眺めていると、落車とZwift、レースの話だったり、機材やトレーニングの話だったり、アイドルの話だったり、何かと話題に事欠かないロードバイク界隈。さまざまな変遷を経て現在に至っている訳ですが、では、僕らローディーは今どんな「時代」にいるのでしょう?

ロードバイクを「時代」で分類した興味深い論説があったのでご紹介。現在、僕らは「サイクリング3.0」の真っただ中にいるそうです。

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ロードバイクの時代区分

本日のソースは最近特にハマっているJournal of Science and Cycling。いろいろご紹介したい記事がある中で、ロードバイク界の全体像を示してくれる論説があったのでご紹介であります。

From Cycling 1.0 and 2.0 to Cycling 3.0

ご紹介したい論文はこちら。「From Cycling 1.0 and 2.0 to Cycling 3.0: The Evolution of a Sport through Science, Ethics, and Artificial Intelligence」というタイトルで、deeplの力を借りると「サイクリング1.0から2.0へ、そして3.0へ:科学、倫理、AIによるスポーツの進化」だそう。

自転車レースの始まりから2025年の今の今までをザックリ3つに分類し、これからロードバイクはどこに向かうのかを推し量る、なかなかに野心的な論説です。

著者はMikel Zabala博士。スペインのグラナダ大学体育学部スポーツサイエンス科の教授だそう。

ロードバイクの3つの時代

ではではざっくりロードバイクの3つの時代をご紹介。AIがロードバイクに革新をもたらしているという認識のようです。

サイクリング1.0の時代(アームストロングまで)

最初の時代はロードバイクのレース開始からランス・アームストロングがドーピングでタイトルはく奪されるまでの期間。世界最初の自転車レースは1868年5月31日で、翌1869年に初めての公道レースが開かれました(⇒出典)。一方、アームストロングのタイトルはく奪は2012年なので、140年ちょいがサイクリング1.0にあたるでしょうか。

「サイクリング1.0」の特徴は以下のとおり。

  • コーチの経験にもとづく非科学的なトレーニング
  • 医療的行為と倫理感、プロフェッショナリズムの曖昧さ
  • 選手は受動的で、この時代に発言力・影響力が強いのは権威ある人または機関・組織
  • そのためドーピングや秘密主義のリスク/弊害が多かった

サイクリング2.0の時代(AIが起こるまで)

続いての時代=「サイクリング2.0」はランス・アームストロングからAIの登場まで。AIの歴史を見るに、現在は大規模言語モデル(LLM)による「第4次AIブーム」と言われるそう。ただ、Mikelの論説を読むに「サイクリング2.0」はその(遥か)手前で、パワーメーターやHRVによる、より”科学的”かつ実証的なエビデンス(データ)にもとづく手法が確立され始めた時期を指している模様。その特徴には以下が挙げられています。

  • トレーニングは多分野にわたる実証的方法に
  • 前時代の反省から反ドーピングの文化が拡大
  • 選手は(教えを受けるだけの)受動的な立場から主体的(データ提供者として)なメインキャラクターに変化
  • 実績がない個人がパフォーマンス/サイエンスコーチを務めることによるエセ科学の混入(とそれに伴うモラルの低下)リスクの可能性

そして現在「サイクリング3.0」(AI以降)

パワーメーターやHRV、人によっては乳酸測定値なども駆使するようになって、データ(デバイス)の民主化が進むと、必然的にデータ解析のニーズが高まります。そこで満を持して登場したのがAI(人工知能)です。

ミケル博士によれば、「サイクリング3.0はサイクリング2.0を置き換えるものではなく、2.0の弱点を明らかにし、可能性を拡大させるもの」という位置付けのようです。その特徴は以下のとおり。

  • AIによって強化された、予測可能かつ複合的なトレーニングモデル
  • 選手はデータの共同制作者であり決定権を持つ人に
  • コーチも選手もAIの活用を学ぶ必要がある(AIはコーチを置き換えるものではない)
  • アルゴリズムの透明性とプライバシーと公平性が重要に
  • 引き続き、「不適格な人」が混入するのを防ぐ必要あり
  • 偏ったアルゴリズムやデータの乱用も引き続きリスク要因

サイクリング1.0~3.0のまとめ

ロードバイクの時代区分一覧
ロードバイクの時代区分一覧

最後に、上記(+アルファ)を分かりやすく一覧にまとめた表をミケル博士の論説から引用してご紹介。

こうやって見ると、ランス・アームストロングは本当に「時代」をつくった凄い(語弊ありますが)人だったのね(・_・;) そして、パワーメーターのイノベーションっぷりよ。

「サイクリング3.0」の技術として「デジタルツイン」が挙げられていて、これも興味津々です。Zwiftはデジタルツインと言えるのかな?? あれはまだまだ拡張現実を齧ったくらいと言えるでしょうか??

いずれにしても、ロードバイクの世界は大きく変化し、AIによってその流れはさらに加速していくのでありましょう。自転車はいまだに人力なのに、それを取り巻く世界は最新技術で目まぐるしく変わっていくなんて、とても面白いものですね(^ω^)

以上、ロードバイクは今どんな時代にあるかご存知ですか!? ロードバイクの今を知る、「サイクリング3.0」の時代区分が面白い なお話でした。

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この記事を書いた人

ロードバイク & マウンテンバイク ブロガー

海外の最新ロードバイク&マウンテンバイク情報や、関東地方を中心に日本全国、ときたま海外をサイクリングして自転車旅ならではのグルメや景色、楽しみ方を発信中。

JBCF(実業団自転車競技)やツールドおきなわ、ほか自転車イベントにも積極的に参加中! レース・イベントに体当たり取材しています。

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