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ローディーが喉から手が出るほど欲しいパフォーマンス向上。“暑熱順化トレーニング”がその願いを叶えてくれ・・・ないかもしれません(-_-;)

暑熱順化トレーニングで持久力が向上すると思っていたのに!!!
暑熱順化トレーニングで持久力が向上すると思っていたのに!!!

「暑熱順化トレーニング」をご存じですか!? 暑い環境で練習することで持久力が高まると言われ、近年、ロードバイク勢の間でも広まってきたトレーニングです。気になるのは、この「暑熱順化トレーニング」の効果。暑熱順化トレーニングしたことで実際にどれくらい持久力の向上が見られたでしょうか?? 実は「暑熱順化トレーニング」自体には持久力向上の効果はないのでは??? というお話です。

暑熱順化トレーニングの驚くべき効果

今回ご紹介するのはCYCLINGTIPSの「Can heat acclimation really improve endurance performance?」という記事。スポーツ科学者・サイクリングコーチによるガチの論文解読です。

暑熱順化トレーニングの効果

暑熱順化トレーニングの効果
暑熱順化トレーニングの効果

暑熱順化トレーニングの効果として、Lorenzo et al.とCorbett et al.がそれぞれ挙げているのが↑の効果。心拍の低下、心筋の効率化、VO2Maxの向上、乳酸閾値の向上、無酸素域の向上など、ローディーなら喉から手が出るほど効果が目白押し!

さらに、暑熱順化トレーニングによって低い気温でのパフォーマンスも向上すると示されています。

In addition to the physiological argument, more importantly, the review by Corbett et al. highlighted a number of experimental papers (eight in total, Lorenzo et al. included) that demonstrated evidence for heat acclimation improving performance in cooler conditions.

Can heat acclimation really improve endurance performance?|CYCLINGTIPS

暑熱順化トレーニングに効果はないという反論

これだけの効果があると言われたら、もう試さずにはいられない「暑熱順化トレーニング」でありますが、ちょっと待って。こんなに美味しい話ってあるの!? 英語で言うなら「Too Good To Be True」というヤツです。

暑熱順化トレーニングの効果に対する反論

反論は当然出てきました。それがKeiser et al.の実験結果。Keiser et al.によると、「暑熱順化トレーニングは“暑い”中でのパフォーマンス向上が見られたものの、それ以外の気温条件では持久力向上が見られなかった」というもの。

In 2016 an experimental paper published by Keiser et al. claimed that, while heat acclimation did indeed improve performance in the heat (which was already well established in the literature), heat acclimation did not improve endurance performance in temperate conditions.

Can heat acclimation really improve endurance performance?|CYCLINGTIPS

前述の「暑熱順化トレーニング」の効果に真っ向から対立する結果であります(◎_◎;) 一体どっちが正しいのねん!?

持久力の向上は暑さのせいか、それとも練習の成果か?

なぜ正反対の結果が出るのか、これこそ学問の醍醐味で、むしろ喜ばしいこと(*´ω`) CYCLINGTIPSの記事も嬉々としてその原因を探っています。

問題は実験のデザイン

ここから非常に長く、難解になってきますのでガッツリ勇気をもって割愛しますと、CYCLINGTIPSの著者は「問題は実験のデザインにある」と述べています。

「暑熱順化トレーニング」の効果を発見したLorenzo et al.の実験では、「気温」以外の変数として「心血管への負荷」が加わったそう。低い気温と高い気温で「同じパワー」を出すと、高い気温のほうが心拍や主観的運動強度は上がるもの。

気温の高さがトレーニングへの順応を促すのか、心血管への負荷の増加がトレーニングの順応をもたらすのか、どちらか分からなくなってしまいます。

Keiser et al.はこうした実験のデザインに問題を見出し、Lorenzo et al.の発見(高温下でのパフォーマンスの向上)を否定したのでした。

This change in study design meant training intensity for the individuals was set relative to the temperature condition they were training in. This meant Keiser et al. effectively negated much of the increased cardiovascular strain of training in the heat that was not accounted for in Lorenzo et al.’s study.

Can heat acclimation really improve endurance performance?|CYCLINGTIPS

暑熱順化トレーニングの効果の再考

と言う訳で、まとめ。非常に長く読み応えのある記事でしたが、とても興味深い。以下、CYCLINGTIPSの結論を記します。

暑熱順化トレーニングがパフォーマンス向上を促すかは微妙

最新の研究によると、高温下でのトレーニングが、普通にハードに追い込むトレーニングよりもパフォーマンス向上に効果があるかどうかは疑わしい、というのが結論。あらら、やっぱり一朝一夕にはパフォーマンスは上げられないのね。。。

However, based on the current literature, it is doubtful that heat acclimation, as an ergogenic aid in temperate conditions, is more beneficial for increasing performance than simply riding your bike harder during your training sessions.

Can heat acclimation really improve endurance performance?|CYCLINGTIPS

暑さへの順応には有効

とは言いつつ、まったく効果がないかというとそうでもないらしい。暑熱順化トレーニングは文字通り暑さへの順応を促すことに効果的。特に、日本のように高温湿潤な気候では非常に意味があると思われます。

As we have discussed, the likelihood is very high that repeated exposures to heat during exercise improves endurance performance in subsequent heat exposures. This makes it good practice to heat acclimate prior to hot competitive events.

Can heat acclimation really improve endurance performance?|CYCLINGTIPS

個人的な暑熱順化の体験

暑さに慣れるという意味で暑熱順化トレーニングは大事
暑さに慣れるという意味で暑熱順化トレーニングは大事

と言う訳で、暑熱順化トレーニング単体でのパフォーマンス向上効果が否定されつつある昨今、脚力アップに近道はないことがまた示されて僕は涙目です(´_ゝ`)

とは言いつつ、ワタクシ、暑熱順化はとても大事かつ効果あると感じていたり。日本の夏は本当にツラくて、いつも熱中症との闘い。蒸し暑さに早めに体を慣れさせておくと8月、9月、長ければ11月初旬まで、どんな気温条件でも快適に走ることができます。

暑さに慣れず、何度泣かされてきたことか。暑いの嫌い、いや好き、う~ん嫌いw

暑熱順化トレーニングが直接持久力の向上につながるか、その体験は僕自身ありませんが、暑さに慣れるのは大事と思った次第。これから寒い季節に突入しますで、冷間トレーニングの重要性も主張したいw

以上、暑熱順化トレーニングで持久力向上!はどうやら怪しいよ(´_ゝ`) なお話でした。さぁさぁ、正しいのはどっちなのか、はたまた新しい理論が出てくるのか!? スポーツ科学も面白いでありますな。

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