海外サイクリング事情として手始めに「補給食」を取り上げたところ、デゲメン編集長から「そもそも、どうやって海外で現地観戦するか書いたほうがいいのでは?」と指摘されました。なるほど、それはごもっとも(;´Д`) という訳で、北部方面のジロ・デ・イタリアに限って、でありますが、海外の自転車レース観戦方法について、僕たちが“失敗”から学んできたことをご紹介します。
海外自転車レースの現地観戦におけるハードル
まずは海外自転車レースの現地観戦で、どこら辺が難しいかを列挙したいと思います。躓きそうなところを事前にチェックするのでござる。
現地観戦の肝はイチに情報収集、ニに観戦場所、サンに移動手段
自転車レースの現地観戦で難しいところとは、つまり過去に僕たち自身が痛く失敗したところのこと(;^_^A 手ひどく失敗して、「あぁ、これが大事だな」と身をもって学んだことであります。
重要度で上から列挙していきますと、以下のとおり。
①情報収集(事前・現地)
②観戦場所の選定
③観戦場所への/からの移動手段(特に山)
④寒さ・空腹対策
大きく分けるとこれくらいかな・・・!? 取りあえず、上記①~④について順を追って解説していくであります。
①一番大事なのは情報収集
ワタクシ思いますに、現地観戦で一番大事なのが事前の情報収集。でも、どんなに調べたつもりでも、現地で分からないことが必ず出てくるのは世の常・人の情けでございます(;´Д`)
公式サイト、公式アプリは必須
まず絶対必要なのが公式サイトの情報。ここに必要な(でも最低限の)情報が詰まっています。これを隅から隅まで読み込むのが超重要であります。
ここで特筆すべきはジロ・デ・イタリアの公式アプリ(去年もあったっけ!?)。これがまぁ超優秀でスーパー使いやすい優れもの。選手のプロフィールからランキングから各ステージのタイムテーブルから街の観光案内から、必要な情報は“だいたい”網羅されています。
タイムテーブルは特に大事
オフィシャル情報の中でも特に大事なのがタイムテーブル。何時にどの街・どの地点を通過するかがひと目で分かるようになっています。
このタイムテーブルを見て、観戦場所を選び直したり、移動手段を考え直したりと、やるのであります。
②どこで観戦するか!? 観る場所によって難易度がけた違い
情報収集を進める傍ら、どこで観戦するかも決めます。これがまた、観戦場所によって難易度けた違いなのです(;´Д`)
一番簡単で確実な観戦スポットはスタート地点
観戦スポットで一番簡単かつ確実に選手の写真を撮れたりレースの雰囲気を感じられるのが、スタート地点です。スタート地点はたいてい、しっかりした街中の広場(イタリアの街には広場があります)ですから、迷うことも特になし。初めて自転車レース観戦する場合でも、交通の便が良くアクセスがめちゃ簡単でオススメです。
事実、ワタクシたちが初めてジロを観戦したのはスタート地点でありました。選手が花道をとおって出走サインする様子を見れたり、あわよくばサインもらえたり一緒に写真撮れたりと、なかなかに良い(*´ω`*)
“街中の”フィニッシュ地点も簡単な観戦スポット
スタート地点と並んで簡単な観戦スポットがフィニッシュ地点。ただし、“街中”という条件が付きます(;´Д`)
最後のスプリントを撮れたり、表彰式を撮れたりと、ここもレースの雰囲気を味わうのにもってこい。“街中”に設けられたフィニッシュなので、アクセスに困ることもありません。
通過地点の“街”での観戦も簡単
同じ理由で、通過地点の街中で観戦するのも簡単です。街なのでアクセス無問題。ほんの一瞬で通り過ぎるジロのために、町中がピンクに染まる様子はなかなか感慨深いもの。
ただ、プロトンが過ぎ去るのは本当に一瞬ですし、たいてい通過地点の街中でレースが動くことはないので、見応えという点では見劣りするかも!?
山頂、特に山頂ゴールの観戦は天文学的難しさ(;´Д`)
しかし、ジロと言えば山。特にゾンコランなどの山頂ゴールは自転車ファンならずとも一度は見てみたいもの・・・。
これが、もうケタ違いに難しい(; ・`д・´) いや、難しいなんてもんじゃない。たどり着けないならまだしも、下手したら帰ってこれないかも・・・。正直申し上げまして、初めての海外レース観戦でチーマ・コッピや山頂ゴール観戦をめざすのは、よほど現地の言葉が堪能か日本で自転車レースの観戦に慣れていない限り(もしくはガイドがいない限り)、止めておいたほうがいいかも、です:(;゙゚”ω゚”):
③移動手段の問題。なぜ山での観戦は難しのか?
できることなら山で観たい。しかし、それを実現するにはとてもとても高いハードルがあるのです(; ・`д・´) ちなみに街での観戦は移動手段がしっかりしているので難しくありません。
どうやって山頂に行くのか?
まず問題となるのが、山頂への移動手段。通常、ゾンコランやステルヴィオなどの山頂は(遅くとも)前日の夜に車両通行止めになります。ということは、山頂に行くには、①徒歩、②自転車、③シャトルバス等の方法で行くしかありません。
去年ステルヴィオ峠を観戦したとき、この山頂へのアクセスを知らなかった:(;゙゚”ω゚”): てっきり車で行けると思っていたら通行止めで、シャトルバスのことも知らず、まさかまさか25km歩いてステルヴィオ上ったりしました(;´Д`)
■ステルヴィオ峠を無謀にも歩いて上った記事
ステルヴィオ峠TTに徒歩で挑戦! ジロ・デ・イタリア第16ステージ現地観戦
シャトルバスはどこにあるのか?
ここで悩ましいのがシャトルバスの利用方法。通常、山頂にはシャトルバス(またはリフトやゴンドラなどの移動手段)が存在するようです。
しかし、このシャトルバスなどの情報を、どこでどうやってゲットしていいかが分からない。公式サイトでも、こういったシャトルバスの情報を見たことがありません(あるかもしれないけど、読み解けない(;´Д`)。
そうすると、現地で情報収集することになるのですが、そこに立ちはだかるのが言葉(と慣習)の壁。拙いイタリア語、もしくは英語でバスの情報をどこまで集められるか。。。
もし仮に読み解けたとして、バス停を見つけ出し、何時何分にどこへ向かい、料金はいつどのように払うのか、これらを知っておかなければなりませんし、自分の行き先が正しいか運転手さんなどに確認する術も必要です。実は海外で公共交通機関を使うのってとても難しいのです、これは本当に(;´Д`)
どうやって山頂から帰ってくるのか?
徒歩でも自転車でもシャトルバスでも、上ったら必ず下りてこなくてはいけません。これが何気に、上る以上に大変。
山頂はそれこそ巣鴨・原宿状態。言うなればカオスです。そうした大混乱の中で、シャトルバスやリフトやゴンドラなどなどの発車時間や乗り場所、その他諸々を的確に判断して速やかに行動しなければなりません。
激ムズイです。皆さんわれ先に帰りたがっていて、殺気立ってるので、正直ちょっと怖い(;´Д`) でも、こっちも生きて帰らねばならない(; ・`д・´)
山頂での観戦は、言ってみれば、山頂に閉じ込められるようなもの。そこから出る(=下る)には、より多くの時間と手間がかかる(=めっちゃストレスかかる)と覚悟しておく必要があるかもしれません。
④寒さ・飢えとの戦いも覚悟せねばならぬ
しっかし山って寒いわ、腹減るわで、過酷ですよぉ。山はとにかく逃げ場がないんです(; ・`д・´)
天候への備えも必要
山での観戦をさらに難しくしているのが、天気。山の上は天気が変わりやすい! 突然雷雨になったり雪が降ったりすることも。でも、選手が近づいたら傘はさせません。傘さすと「見えない!」と他の観客から大ブーイングもらいます(;´Д`)
そして何より寒い!! もう真冬かよ!?と間違えるくらい凍えます(;´Д`) しかも、その寒い中、選手が来るまでひたすら、ただひたすら待たないといけません(長いときには5時間近くも!)。真冬並みの寒さ対策は必須も必須。ダウンジャケットが必要なレベルです(;´Д`)
また、食事場所やトイレも限られています。寒さにプラスして空腹、ましてやお腹が痛くなったりとかあった日には・・・。おぉ怖い(;´Д`)
ワタクシの観戦経験も酷いものなのですが(;´Д`)
と、ここまで書いておいてナンですが、ワタクシどもの観戦経験も実はたいしたことありません(;´Д`)
自力で山頂観戦したのは1回だけ(・_・;)
ワタクシたち、今まで、2014年、17年、18年と3回ジロ・デ・イタリアを観戦したであります。その3回のうち、山頂(山頂ゴール含む)で観戦したのは3ステージ(ステルヴィオ、ピアンカヴァッロ、ゾンコラン)であります。
しかしながら、自力で山頂観戦したのは、実はステルヴィオの1回だけ。しかも、そのときの苦労ったらない。ほんと大変でした(;´Д`)。あとの2回(ピアンカヴァッロとゾンコラン)は地元イタリアの方に連れて行っていただいたのであります。もし、その助けがなかったら、観戦できなかったろうなぁ。。。(;´Д`)
海外自転車レースの観戦は日本で予習できる
ここまで書いてきて思いましたが、自転車レースの観戦方法は海外でも日本でも、実は基本は変わらないかもしれません。
ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・とちぎ、ジャパンカップで練習しよう!
ワタクシたち、こう見えて、いきなりぶっつけ本番でジロ・デ・イタリア観戦したワケではありません(`・ω・´)
一応、ちゃんと日本国内で自転車レースを観戦し、予習・復習してそれでも何度も失敗してまいりました。その失敗を教訓にジロ・デ・イタリアで試し、現地でさらに何度も手痛い失敗をして、何とか今まで生き延びてジロを生で観ることができております。
なので、いつかは海外で自転車レースを観戦したいとお思いでしたら、ぜひ! 日本のレースで予習・復習することをオススメ! 自転車レースがどのように動いて、どこでどんなことが起こるか・期待できるかを予め知っておくことができます。そうした予備知識・体験があれば、せっかく努力して現地に行ったのに戸惑ったり、幻滅したりすることもありません。
あとは、ハプニングと失敗は必ず起こるものだと「失敗込みこみ」で計画することでしょうか。どんなハプニングも「これぞ旅の醍醐味アハハ」と笑って受け流すことができれば、ストレスや不安はグッと減るかもしれません。
もし、そういうスリリングはノーサンキューでしたら、旅行会社の海外ツアー一択。おそらく値段は高くなっちゃう(2~3倍くらい?)ですが、簡単かつ確実、安全なのはツアーです。
という訳で、ちょっと駆け足ですが、海外で自転車レースを生観戦する際に気を付けるべきポイントを挙げてみました。「コツ」とか「ポイント」なんて偉そうにまとめちゃったりしてますが、実際は全然ヒヨッコ(;´Д`) これからもまだまだ失敗を重ねるでしょうが、取り急ぎ「いつか海外観戦してみたい!」という方の参考になれば・・・ということで(;^_^A
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