
「値段が高過ぎる」に始まり「格好や作法振る舞いの敷居が高過ぎる」などなど、常に楽しく考えさせられる話題を提供してくれる自転車界。それだけ皆さんいろいろな思いをもって自転車を楽しんでいる証拠でありましょう。そんな自転車界の平常運転は、日本だけでなく本場(?)イギリスでもテーブルを賑やかにするトピック。「自転車乗りは意識高い」と思っている人、自転車乗り以外はもちろん、自転車乗りの中にも多いのだそうな。
Does Cycling Have A Problem With Elitism And Snobbery?
「意識高い」のに悪いことは何もないと思いますが、度が過ぎると、人によっては居心地悪く感じたり、あるいは自転車から遠ざかったりしてしまうことにつながってしまうのかもしれません。我らがGCNがその点について深く反省しているようです(´_ゝ`)
GCN accused of snobbery!
取り上げるのはGCNショーのワンシーン。2分30秒~6分30秒までの「GCN accused of snobbery!」と「Cycling’s long-standing reputation for snobbishness」です。内容としては、「GCNは他人を見下している!?」という視聴者コメントの紹介から始まり、「自転車界の他人を見下す態度は長年にわたる伝統」について語り合うもの。
例えば、MTBにドロップハンドルバーを付けたり、サイクルウェアを着ていない人に対して冷ややか、あるいはニヤニヤ「そうじゃないだろぅ」と言ってしまう意識高い言動が「スノッブ(見下す態度)」として受け止められているそうな。
あるいは、逆に超シリアス真面目に練習している人や高価な自転車に乗っている人、タイヤの空気圧に細かい人に対して(・∀・)ニヤニヤしてしまう風潮も「自転車界のスノッブ」として取り上げられています。
ロードバイクの正装とかは典型
ロードバイクへの強い意識(というかこだわり?思い?)が他の人とのギャップを生み、そのギャップが大きいほど「コイツ分かってないな」vs「意識高くて面倒くさいな」という対立につながるのかもしれません。そして、このギャップこそがツイッターで盛り上がるポイントになっています。
例えばロードバイクにSPDやフラペとか(snobbery!)

例えば、ちょっと前に見かけた話題に、「ロードバイクにSPDペダルは是か非か?」みたいなのがありました。個人的には「SPDのほうがイロイロ便利で楽だろう」という思いはありつつ、是非の判断はロードバイクをどう使いたいかによって異なることに気付かされたり。
あるいは、これは僕個人の偏見による問題ですが、ジャージとビブショーツのいわゆる正装を「ピチパン」と揶揄したり、あるいは正装じゃないと逆に揶揄されたりすることも日本における「自転車界のスノッブ」の一例と言えるのではないでしょうか?
S-Worksじゃないとダメですか?
スノッブの弊害は、先日栗村修さんがツイッターで連投した「自転車高過ぎ問題」にも通じます。ヒルクライム会場での軽量高級バイク&装備はまさに典型例(値段そのものの話はさておき)。
「いい自転車じゃないから」ということで見下したり、逆に負い目を感じたり、そんな経験をした人もいるのでは? GCNのコメント欄でも書かれていました。曰く、
As a Roadie turned gravel rider on a budget, I choose to ride alone because of how snobby the local clubs around me are. I worked for trek for a while, and even there I was talked down to regularly for riding an aluminum bike even with carbon zipp 404s and lots of upgrades it’s not good enough. The last time a showed up to a ride, they immediately had concern about me getting dropped because of my “cheaper” bike and even suggested that I choose a different no drop ride. I ended up sitting on the wheel of the leader. Won’t ride with them again, ever. That being said I’ve been to loads of events with amazing people that are so friendly and don’t really care what you ride.
[抄訳]ローディーからお財布にやさしいグラベルバイクに乗り換えた身としては、ソロライドをすることが多くなった。理由は地元の自転車クラブがみんなスノッブ(意識高過ぎる)だから。トレックで働いていた(編注:あのトレック!?)ときも、アルミの自転車に乗っていたせいでいつも下に見られていたよ。ZIPP404Sとかいろいろパーツをアップグレードしていたのに。最後にグループライドに参加したときなんて、メンバーが自分の「安い」バイクを見て、「コイツ遅れるんじゃね?」と心配して、別のライドを勧めてきたくらいだった。結局、ライドリーダーにツキイチしてそのライドは終えたけど、もう二度と彼らとは走らない。多くのイベントで合う人はみんなフレンドリーで、何に乗ろうが気にも留めてないけどね。
イギリスでもこういう話、あるんだなぁと思い至る次第です。それと同時に、こういうところで「いいね」を集めるのは「意識の高さ」に嫌な思いをしたことがある、いわゆる「被害者」のコメントなのも共通なのですな。「オレがスノッブだ!」というコメントはまず見たことがありません。
被害者に賛同する声は多く、「誰がどんな自転車にどんな格好で乗ろうが気にしない」という(意識高い)結論が毎回提示され、何となくウヤムヤで消えていく。そんな景色は万国共通なのかもしれません。
そして、時間を置いて、熟成され、手を変え品を変え、別のスノッブ問題として再発する、このサイクルがなぜどのように起こるのか、背景に燻るものは何か・・・。とても興味深いところでありますな。
閑話休題
ところでちなみに、ワタクシは栗村さんの「自転車高過ぎる」については、むしろもっともっと上がるべきと思っているタイプです。高級バイクがあれば、そこを埋める新規参入が増え、「いつかはクラウン」みたいな感じで「いつかはS-Works」を求めて稼ぎまくる人が増えて自転車界的にも社会経済的にも良いのでは!?
若い人が買えない!? う、うむ、お父ちゃんお母ちゃん、おじいちゃんおばあちゃん、お仕事頑張ろう、僕ら馬車馬のように働こうじゃないか(;´Д`)
以上、ロードバイク乗りはなぜどの国も意識が高(くて面倒くさ)いのか!? GCNで学ぶ自転車界の「スノッブ(見下す態度)」という問題! なお話でした。
もう一つちなみに、ワタクシ自身はあまりロードバイクで見下された記憶がありません。それは多分周囲に恵まれたのが最大の理由で、あと考えられるのは「僕がスノッブだψ(`∇´)ψ」ったからかも。見下してきたみんな、本当にゴメンこ(´_ゝ`)
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