ロシアのウクライナ侵攻にUCIや自転車界はどうすべきか? ヨーロッパの自転車雑誌やプロ選手の声を聴く

ロシアのウクライナ侵攻を前に、自転車界はどう対応すべきか?
ロシアのウクライナ侵攻を前に、自転車界はどう対応すべきか?

2月24日より始まったロシアによるウクライナ侵攻の最中、ヨーロッパでは自転車ロードレースが各地で開催されています。こういうとき、自転車ロードレース界はどう反応・対応すべきなのでしょう。「政治とスポーツは別」と五輪憲章でも謳われておりますが、果たしてそれでいいのか。VeloNewsに出ていた論考をもとに現状をご紹介します。

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How should the UCI and the cycling community react to the Russian invasion of the Ukraine?

今回ご紹介するのはVelo Newsの分析記事「Analysis:How should the UCI and the cycling community react to the Russian invasion of the Ukraine?」であります。

ロシアの侵略に対しUCIと自転車界はどう対応すべきか?

記事のタイトルを翻訳しますと、「ロシアのウクライナ侵略に対し、UCIと自転車界はどう対応すべきか?」でありましょうか。

Velo Newsの論調は「UCIどうすんねん」

記事の内容はざっくり箇条書きで以下の通り。結論から先に申しますと「何かすべきと思っているヨーロッパ人は多い。UCIはどうしますの?」であります。

記事の要約

  • ロシアの侵略行為にIOCやUEFAなどが即座に反応。
  • UEFAは5月に開催されるサンクト・ペテルブルグでのチャンピオンリーグ決勝戦を撤回。
  • UCI会長のダヴィド・ラパルティアンが2022年にロシアとベラルーシでUCIイベントを行わないことを発表。
  • なお、現在(2022年2月時点)ロシアで企画されているUCIレースやイベントはない。
  • 有名なロシア製の自転車ブランドもない。
  • UCIはロシア自転車連盟の選手が世界選手権やヨーロッパ選手権に参加するのを禁止すべきか?
  • ロシア企業がスポンサーのGazprom-RusVeloのレース参加を禁止すべきか?
  • ヨーロッパの自転車界のショックと怒りは深く、何かすべきと考える人が多い。
  • 仮にGazprom-RusVeloとロシア自転車連盟の競技参加を禁止しても、どれだけロシアの侵略行為に効果があるだろうか?
  • そもそもUCIの非難声明がプーチンや側近に届くだろうか?
  • それでも多くの人は何かすべきと信じており、今後UCIがどう動く(もしくはまったく動かない)か、その動きが注目される。

出典:Analysis: How should the UCI and the cycling community react to the Russian invasion of the Ukraine?

選手からはウクライナ支援の声が上がっている

自転車界の動きが注目される中でありますが、選手からは個々にウクライナ支援の声が上がっています。

ヤコブセンはウクライナを応援

2月最後の週末に行われたKuurne-Brussel-Kuurneで優勝したファビオ・ヤコブセンは、勝利後のインタビューでウクライナの状況に心を痛めていると発言。曰く、

In my country and in Belgium everything is opening again. We’re free. Over there the people are afraid. I’m happy to be racing here but my mind and my prayers are with the people in Ukraine. Here it’s about 25-year-old guys fighting for the win but over there the 25-year-old guys are fighting for freedom in their life. It put things in perspective.

[抄訳]自分の国やベルギーではすべてが(コロナ)規制が解除され自由が戻ってきた。でも、向こうでは人々が恐怖にさらされている。僕はここでレースできて幸せだけど、気持ちはウクライナの人と共にある。ここでは25歳くらいのみんなが勝利をめざして頑張っているけど、向こうでは同じ年齢の人たちが自由を求めて戦っている。とても考えさせられるよ。

Jakobsen wins Kuurne-Brussel-Kuurne with Ukraine war on his mind

ファン・アールトもウクライナ支援を表明

一方、Omloop Het Nieuwsbladで優勝したファン・アールトも、勝利後のインタビューでウクライナ支援を表明。戦争が起こっている最中に行われる自転車レースの虚しさについて、サッカー界のアリゴ・サッキが述べた「サッカーは最も意味がないものの中で一番重要(the most important of the least important things)」という言葉をもじって、以下のように述べています。

I want to say one more thing: bike racing is the most important side issue in the world, with the emphasis on ‘side issue’. It’s just madness that a war is still possible today, and so close. For what it’s worth, I would like to express my support for all those involved in Ukraine.

[抄訳]もう1つ付け加えたい。自転車レースは今の世界で最も枝葉なイベント。本当に“枝葉なイベント”だけど、この現代で戦争が起きる、しかもこんな近くで起きるなんて、どうかしている。ウクライナに関わっている人すべてを応援したいと思う。

Wout van Aert expresses solidarity with Ukraine after Omloop Het Nieuwsblad win

「起きるぞ起きるぞ」と言われ続けて、実際に起きてしまったこの度のウクライナ危機に自転車界はどうすべきなのか・・・。特に日本の自転車協会は何かできるのか? 個人レベルなら、デモに参加、寄付、あるいは義勇兵に参加などの方法もあるそうですが・・・(-_-;) ウォッカを買わないとか!?

以上、ロシアのウクライナ侵略に対して、自転車界はどう動いているのか!? なお話でした。最後に、イネオスで走るロシア人選手のツイートを貼って、この記事はお仕舞いなのであります。

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ロードバイク & マウンテンバイク ブロガー

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