ロードバイクのトレーニングでFTPに代わる指標が遂に登場!? トッププロが無視できないトレーニングの新指標「デュラビリティ」とは?

ロードバイクで今注目されているDurabilityとは何ぞや?
ロードバイクで今注目されているDurabilityとは何ぞや?

ロードバイクのトレーニングで必須かつ、みんなが気にするのがFTPやVO2Max、パワーウェイトレシオ(W/kg)であります。だがしかし、何となくFTPってアテにならないし、VO2Maxはラボで実測しない限りどうやって計算されているか分からない。W/kgが一番分かりやすいかな??重要だけど、どうも頼りない指標にとって代わる、新しい指標がないものか? 実はあるんです。

その指標とは「Durability(デュラビリティ・耐久力)」。特にツールとかで走るプロレベルの選手には必須のデータなんだって。では、デュラビリティとは一体どんな指標なのか、レッツ探検!

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Durability(デュラビリティ)ってなんだ!?

この記事の元ネタはVelo Newsの「‘The New Marker of Elite Performance’: Why ‘Durability’ Is the New Must-Know Metric in Pro Cycling」という記事。Velo Newsが土台にしているMartin Bonnevie-Svendsen医学博士の記事も参照しています。

デュラビリティは時間の経過で落ちるパフォーマンスの尺度

マーティン博士の記事はガッツリ長いので、博士の一連のツイートを見るのが分かりやすいでありましょう。マーティン博士によると、「デュラビリティは自転車ロードレースにおける成功の指標になっている」とのこと。

では、デュラビリティとは何かというのが、Velo Newsやその土台となったマーティン博士の記事であります。

デュラビリティは、「The Importance of ‘Durability’ in the Physiological Profiling of Endurance Athletes」の著者であるMaunderさん他によって定義されていまして、それによると「the time of onset and magnitude of deterioration in physiological characteristics over time during prolonged exercise」とのこと。

ざっくり日本語にすると、デュラビリティは「長時間の運動で時間の経過とともに低下する生理学的特性(パワーや心拍など)について、その低下が現れるまでの時間と低下の度合い」のことでよろしいか?

デュラビリティは図で見たほうが分かりやすい

図で見るデュラビリティ
図で見るデュラビリティ(出典はこちら

分かりづらい日本語訳ですみません。マーティン博士が丁寧に図にしてくれてますので、そちら引用。ぱ、パクリじゃないよ(; ・`д・´) 図を見ると一目瞭然。

  1. フレッシュな状態で最大エフォートのパワー・心拍を計ります。
  2. ある程度の時間、連続してペダルを回します(実験ではVT1の90%の強度で2時間とか ※VT1は喚起閾値でVO2Maxの50~75%)
  3. 最後に、もう1回、最大エフォートを出したとき、どれくらいパワーなどの数値が低下したかを計ります。

これが「デュラビリティ」の定義。ふむ、これは、ロードバイクのトレーニングをしている人だと、何かいろいろ思い出すもの、心当たりのものがありますね!?

デュラビリティはローディーなら誰もが経験していること

言葉としては新しい(?)かもしれないけれど、ローディーな皆さんは(僕も含め)誰もが体感的にデュラビリティを理解しているでありましょう。特にそこの、後半よくタレるアナタとワタシ!(* ´艸`)

レース後半の「パワー出ないのに心拍だけ高い」あの状態!

デュラビリティは、レース後半の「パワー出ないのに心拍だけ高い」あの状態!
デュラビリティは、レース後半の「パワー出ないのに心拍だけ高い」あの状態!

デュラビリティを最も端的に感じられるのが、ロングライドやレース後半のあの苦しいとき! 「こんなに心拍高いのに!! パワーこれしか出ないんですが(・_・;)」というのを感じたことはありませんか?

まったくない? 何回かある? 毎回感じる??

ワタクシ、どのレースでも毎回感じていまして、まさにそのタイミングで千切れていくんだよねぇ。デュラビリティが低いとはこのこと。うん、デュラビリティはとっても身近なコンセプトでありますなw

ちなみに、こちらの図はマーティン博士から引用したもので、実際にデュラビリティがどう発現するかを示したの図。時間の経過とともに心拍が上がるの、特にレース時間が長い沖縄やSDA王滝に出たことがある人だと、よくご存知かもしれません。

僕らはどう使えばいいの? デュラビリティの謎

Velo Newsの記事では、UAE Team Emiratesのパフォーマンスコーディネーター・Jeroen Swartさんが「デュラビリティは最早トレーニングの中核。それを無視することはできない」とまで言っています。そんなデュラビリティですが、はてさて僕ら一般パンピーローディーは何をどう活用すればいいんだい?

FTPのようにシンプルで分かりやすい指標はあるのか?

僕ら一般人にとって一番大事なのは、誰にでも分かりやすくシンプル単純なデータ(または計算方法)があるのかどうか?ということ。

デュラビリティの定義を見る限り、デュラビリティはコーチのもとでプロトコルに基づいてしっかり計測しないといけないように思えます。「運動の最初と最後で、最大エフォートのパワー(など)がどれくらい低下するか」を調べないといけないのでしょう??

トッププロのデュラビリティを示した図
トッププロのデュラビリティを示した図

ちなみに、ワールドツアーのカテゴリーの選手や一般のプロ(?)でどれくらいパワー低下が起こるかはデータがありまして、それを示したのが↑の図。P10は上位10%に入る超強豪選手、P75は上位75%に入る(ごく普通の)選手です(WTはワールドツアー、PTはプロツアーの略)。

上図を見ると、トップ10%に入るワールドツアークラスの選手はほとんどパワーが低下していない(最大でも1.6%の低下)でありますな。低下の%が低いほど「デュラビリティが高い」と言える証拠であります。

デカップリングとは違うの?

デカップリングとデュラビリティは違うの?
デカップリングとデュラビリティは違うの?

どうも、FTPのようにシンプルお手軽に、クリック1つで分かる指標はない模様なデュラビリティ。もう1つ気になるのは、デカップリングとの違い。「パワー低下が起こる時間とその度合い」を計るなら、デカップリングで十分じゃないの?

デカップリングは、レース(ライド)をざっくり2分割して、前半と後半でパワーと心拍がどれだけ乖離するかを計る指標でした。これも、後半どれだけタレたかが分かって、レースの振り返りをより楽しめるデータでありました。

デュラビリティは、コンセプト的にはデュラビリティとデカップリングはとても近いように感じますが、はてさて?? 最初と最後の最大エフォートで比べる分、デュラビリティのほうがより実戦的かつレース向けの指標になるのかな??

デュラビリティは鍛えられるの?

そして、やっぱり一番気になるのがコレ。デュラビリティを(練習で)高めることはできるのだろうか!? であります。

人には人のデュラビリティがあって(才能で決まっていて)、まったく向上することはない・・・だとショックもショックです。だがしかし、何となく経験上、「デュラビリティは鍛えられそう」と思いませんか?? ねぇそうでしょう、そうだと言って!

この質問に、元ネタのマーティン博士も「デュラビリティを練習で上げることは可能」と考えている模様。詳細はまだ研究途上なものの、デュラビリティは以下の要素と何らかの関係があるそうな。その要素とは・・・

  • increased time < VT1(VT1以下の練習時間を増やす=ゾーン2トレーニング
  • increased time VT1-VT2(VT1~VT2の時間を増やす=閾値・SSTの練習??
  • higher total training load(練習の合計負荷を上げる=CTL/フィットネスを上げる

おぉ、こんなところでCTL( total training load)が出てくるとはw 今まで、まったく使えない数字だけの指標だと思っていたCTLが、今やプロ選手の必須指標(だそう)なデュラビリティと関係がありそうとは、非常に興味深いでありますな(゚∀゚)!

長くなりましたので、今回はここまで。ロードバイクのトレーニングで注目すべきは「耐久力」! トッププロが使うトレーニング指標「デュラビリティ」とは何か? なお話でした。ここら辺、文献もいっぱいありそうだし、ぜひぜひいろいろ勉強してまいりましょー! 楽しみ~♪

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この記事を書いた人

ロードバイク & マウンテンバイク ブロガー

海外の最新ロードバイク&マウンテンバイク情報や、関東地方を中心に日本全国、ときたま海外をサイクリングして自転車旅ならではのグルメや景色、楽しみ方を発信中。

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